ターゲット顧客の選定について|経営戦略・計画編
経営・マーケティング戦略を練る上で、商品を購入してくれるターゲット顧客を明らかにすることは大切なことです。
ドラッカーに、次のような言葉があります。
「マーケティングの狙いは、顧客というものをよく知って理解し、製品が顧客にぴったりと合って、ひとりでに売れてしまうようにすること」
『マネジメント』(1970年、ダイヤモンド社)
「どのような 価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生み出し、顧客に届け、そこから利益を上げること」
『コトラーの戦略的マーケティング』(2000年、ダイヤモンド社)
【目次】
1.ターゲット顧客ごとに戦略を練る
2.“絞り込む”とは?
3.“絞り込み”の別の効果
4.まとめ
ターゲット顧客ごとに戦略を練る
ターゲット顧客層ごとに戦略を練り、それぞれの市場にアプローチする必要があります。
このアプローチを繰り返し、試行錯誤を繰り返しながらマーケティング戦略の精度を高めていくことで、より多くの売上をあげることが可能となります。
このような結果を出すためには、まずはマーケティング戦略の起点となるターゲット顧客を明らかにすること、つまり選定することが非常に重要となります。
では、ターゲット顧客はどのように選定すればよいのでしょうか。
ひとつのキーワードとして“絞り込む”があります。
“絞り込む”とは?
いきなり「ターゲット顧客とは?」と考えてみても、なかなか思いつかないのではないでしょうか。
では、どのようにすればいいのでしょう。
お勧めするのは、大きい市場から小さい市場へと順番に絞り込むことによってより明確にターゲット顧客を選定する方法です。その際にライバルとの差別化、自分の強みなどを考えることで、より効果的な絞り込みができます。
例えば、最近、美容室では会社員・OL向けのサービスとして、ヘアースタイルを整えるだけではなく、ヘッドスパ、リンパマッサージなどをするところが増えてきています。
こうした美容室の場合、
1.店舗の商圏
2.日頃の疲れを取りたいと思っている人
3.最近、抜け毛が気になっている人
このように少しずつ絞っていくと、既存の美容室だけではなく、マッサージ店、リフレクソロジー店などもライバルとして浮上してきます。
これらのライバルに対して、ヘアーカットだけではなく、ヘッドスパによって日頃の疲れも取り除き、合わせて抜け毛のケア、抜け毛を減らすためのアドバイス、さらにはヘアースタイルの提案までできるという強みを生かすことが大切です。
それにより、日々多忙でなかなかリラックスする時間がとれず、第一線で活躍する一方で、ストレスが溜まりやすい仕事をしている30代、40代男性向けにサービスを提供する、という戦略が立ちます。それによってライバルとは差別化ができ、あらたな市場を開拓できる可能性が広がります。
このように、ターゲット顧客の選定にあたっては、大きい市場から小さい市場へと絞り込んでいくことをお勧めします。
“絞り込み”の別の効果
もちろん、絞り込むことが目的ではありません。
しかし、マーケティングを効率的におこなうひとつの手段としてこの絞込みを行うと、その価値が際立って、絞り込んだ以外の顧客が来るようになることもあります。
これが絞り込みの別の効果でもあります。
まとめ
ターゲット顧客ごとに戦略を練ることが重要であり、その起点となるターゲット顧客の選定も重要です。
選定の効果的な方法として、大きい市場から小さい市場と絞り込んでいくことで、自分の強みを生かしながら、ライバルと差別化ができ、ターゲット層と市場が明確になります。